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  • 田中マコト - Makoto Tanaka -

猫とピアノ

更新日:2023年9月14日

今年は紆余曲折あって、10年以上苦楽を共にしてきたBostonグランドピアノを手放した。


長年酷使してきたけど、大事に使ってきたからなのか、ヴィンテージ的な価値でもついたのか、当時の買値とほぼ同額で売却。


(これからガッツリ仕事して稼いだらまた懲りずにグランドピアノ買ったるぞ。絶対に。さらばBoston。またいつか会おうな。)



軍資金を作り、最新Macはじめソフトウェア音源、MIDIキーボード、オーディオインターフェース等々の仕事環境を全て一新、強烈にアップグレードした。


いやはや色々、別世界で新世界。

代わりと言ってはアレだけど、指が鈍らないようにきちんとしたハンマーアクションの電子ピアノも練習用に1台こしらえた。

生ピアノには程遠いけど、これはこれで愛着湧いてきてる。



新たにこしらえたこの電子ピアノは木製アンティークな雰囲気で、表面がざらついたマットなもの。

昔からこのマットタイプのピアノが好きなんだけど、それだと愛猫ハンサムくんが喜んで引っ掻きまわしてしまうだろうと思い、今まで使っていたBostonピアノは表面がつるんとしたいわゆる一般的な光沢タイプでした。


(今回手放したBoston、当時買いに行った日はもともとざらざらマットタイプのYAMAHAグランドピアノが第一候補だった。でも上記の理由で悩んでいて、その隣にあったのが入荷されたばかりのつるんとした光沢Boston。)


(つるん光沢タイプ、戦略通り引っ掻きはしなかったけどピアノの上で過ごすのは好きな仔でした。笑)



ハンサムが旅立ってもう3年近く経つけど、

電子ピアノとはいえ自宅に今回こしらえたようなざらざらマットタイプのピアノがあると、朝起きて少しも引っ掻かれていない事にふと違和感を感じる時がある。

いや、そりゃもうハンサムは居ないから当たり前なんだけど。



『(クスクスっと苦笑いながら)あいつが居たら今頃このピアノは引っ掻き傷だらけだろうなぁ。』


とか、ふと思う時があるんですね。



うまく言えないけど、何となく日常を過ごしているとたまに遭遇するそういう瞬間に、少しだけ淋しくなるんですよ。

また一緒にあいつと遊びたいなぁとか、色々思い出して。


でも決して悲しい、辛いっていうネガティブな感情ではなくて、むしろなんだが温かいというか、こう、心に色彩豊かな感情がたくさんやってきて、きゅっとなるんです。


きっとこういう感情の事を、真心や愛と呼ぶんでしょうね。


長く連れ添った世界一ハンサムな猫から、僕は愛と真心を教わりました。



そんな事を考えつつ、今日もいつも通りピアノを弾こうかと思います。



(ちなみに当時ハンサムは、ピアノが引っ掻けないとわかると当てつけの如くピアノ椅子を引っ掻いてました。そちらはまだ使ってます。ぼろぼろだけど。笑)









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